― システム開発のレベニューシェアは、初期費用を後ろにずらす契約。仕組みと、いちばん誤解される「著作権がいつ自社に移るか」を整理する。
§ 01 / 初期費用の壁
新しいシステムやサービスを作りたいのに、踏み出せない理由の多くは一つだ:
「当たるか分からないものに、初期で数百万円は出せない」
これは慎重さではなく、正しい経営判断だ。だからこそ、当社は初期の負担を抑えて始められる 2 つの型を用意している。標準の月額固定サブスクに加えて、事業のフェーズと確度に合わせて選べる。
§ 02 / レベニューシェア型サブスク
初期費用を抑えて始めたい、あるいは事業を一緒に伸ばしたい場合に向くモデル。月額に、成果(売上)に連動する分を組み合わせる。
考え方はこうだ:
- 初期の大きな一括負担を、成果連動で後ろにずらす
- 事業が伸びれば当社の取り分も増え、伸びなければ抑えられる
- リスクを分け合うので、当社も本気で成長にコミットする
いわば「作って納品して終わり」ではなく、同じ船に乗るモデルだ。将来性のある事業ほど相性が良い。
§ 03 / 権利はいつ、自社に移るのか
レベニューシェア型で必ず聞かれるのが、「作ったシステムの権利はどうなるのか」だ。ここは明確にしている:
| 支払いの段階 | 権利の所在 | 成果物を業務で使えるか |
|---|---|---|
| 完済前 | 当社に帰属 | 使える(利用許諾) |
| 完済したとき | 御社へ譲渡される | 使える |
ここで押さえておきたいのは、「権利が移ること」と「使えること」は別だという点だ。完済までは著作権そのものは当社に残るが、その間も御社は成果物を自社の業務で使える。止まるのは「売る・第三者に譲る」といった処分の話であって、日々の利用ではない。
なぜ段階的に少しずつ移す形にしないのか。著作権を分け合うと共有著作権になり、著作権法上、共有者全員の合意がないと行使できなくなるからだ。中途半端に持ち合うと、御社が他社に改修を頼むのも、当社が実績として紹介するのも、いちいち相手の同意が要る状態になる。だから完済を境に、一度で完全に移す。
譲渡には著作権法第 27 条・第 28 条に定める権利(翻案権と、二次的著作物の利用に関する権利)も含めている。ここを明記しておかないと、法律上これらの権利は移転せず、「譲り受けたはずのシステムを自社で改修できない」ということが起こり得る。
なお、当社が従前から保有している、あるいは汎用的に使っているノウハウ・ツール・ライブラリ・素材については当社に留保する。御社のために書いたコードは渡すが、社内の共通部品まで毎回手放すわけではない、ということだ。この扱いは利用規約に定めている。
§ 04 / 段階増額型 月額固定
もう一つの型は、段階増額型 月額固定。成果連動ではなく、あくまで固定額だが、その額が事業の成長に合わせて上がっていく。
- 立ち上げ期は、月額を低く抑える
- 事業が育つにつれて、あらかじめ決めた段階で増額していく
- 成果連動の変動が読みにくい事業でも、固定で予算が立てられる
「最初から満額は不安だが、伸びたら払える」というフェーズに向く。小さく始めて、身の丈に合わせて投資を広げられる。
§ 05 / どの型を選ぶか
3 つの型(標準の月額固定・レベニューシェア型・段階増額型)は、2 つの軸で選べる:
- 事業の確度は高いか ── 高いなら固定、読みにくいならレベニューシェア
- 初期負担をどこまで抑えたいか ── 最小にしたいならレベニューシェア
どれが正解ということはない。御社の事業フェーズとキャッシュフローに、費用の形を合わせる。それが選び方の本質だ。初回相談で、どの型が合うかを一緒に見極める。
§ 06 / Closing ─ リスクを、一人で抱えない
作りたいものがあるのに初期費用で止まるのは、もったいない。リスクを分け合う設計があれば、踏み出せる事業は増える。
- レベニューシェア型で、初期を抑えて一緒に伸ばす
- 段階増額型で、身の丈から始めて育てる
- 権利は完済をもって御社へ譲渡される(それまでも業務では使える)
初回のオンライン相談は無料、初期費用は 0 円。まずは事業の構想を聞かせてほしい。
本記事は費用モデルの考え方を一般化して説明したものです。具体的な条件は個別のご相談・契約により定めます。
